ギターの音をパワフルにするダブリングとは!?

DTM・楽器

ギターを録音して聴いてみたところ、市販のCD等の音と比べて迫力がないなと思ったことはないでしょうか。
ロック系やメタル系等のパワフルなバンドサウンドでは、ギターの音が弱いと致命的です。
また、歪んだギターの音がセンターに在ることにより、ベースやキックやボーカルやリード楽器等と定位が重なり、非常に聴き辛くなってしまいます。

そこで今回はダブリングでギターの音を左右に振り分け、音を分厚くする方法を紹介します。

ダブリングには大きく分けて2種類の方法があります。

1. 同じフレーズを2回弾いて左右に振る

まずはコチラの音源を聴いてみてください。

センターのみVer.

どうでしょうか?
この音源はギターを1度弾き、センターで鳴らしています。
左右への広がりがなく、センターでゴチャゴチャしていますよね。



では続いてはコチラ。

同じ物をコピペして左右に振ったVer.

この音源は先ほど弾いたギターのフレーズをコピーして左右に振り分けてみたものです。
やはりセンターで鳴ってる様に聴こえます。
これは左右の音の波形が全く同じ為、モノラルの音を聴いているのと同じ状態になってしまっています。



では最後にコチラ。

同じフレーズを2回弾いて左右に振ったVer.

どうでしょうか?
一気に左右が広がり、迫力もアップしたかと思います。
上のコピペしたVer.では左右の波形が同じになってましたが、今回の様に2回同じフレーズを弾くことによって左右の波形にズレが生じます。
そのズレのお陰で左右からそれぞれギターが鳴っているように聴こえるのです。

このように「同じフレーズを2回演奏する」というのがダブリングの最も基本的な方法となります。

しかし様々な事情により、1本のフレーズをダブリングしなくてはならない場合もあるかと思います。
例えば
・スタジオで1本だけ録音したけれどやっぱりダブリングしたい
・限られた時間で録音しなくてはいけない
・難しくて同じようになかなか弾けない
・めんどくさい……
などなど。

そういった場合でもご安心ください。
次の方法で1本の音をダブリングすることができます。

2. 左右の音を人工的にズラす

コチラの音源をお聴きください。

センターのみVer.

一番上の音源と同じようにセンターのみでなっています。
こういったカッティング系のギターはダブリングしない場合も多いのですが、今回は音圧の為だけではなく、左右に振ることによってセンターにスペースを空けてリードギターを入れる空間を作りたいと思います。

まずは弾いたフレーズをコピペして左右に振ります。
そして片方の音のを20ms位遅れて発音させます。(使用してるDAWで操作は異なりますがCUBASEではインスペクター部分のトラックディレイで遅れさせます)
そして場合によっては片方だけピッチを数セント変えます。

では先程の曲をダブリングしたものをお聴きください。

片方だけ15ms遅らせてピッチを5セント上げたVer.

どうでしょうか。
ちゃんと左右からギターの音が聴こえてくると思います。

この様に、人口的に音をズラすことによってダブリング効果を得ることができます。

そしてセンターの空いた部分にリードギターを入れてみましょう。

リードギター入りVer.

このようにダブリングをすることにより、センターの音とバッキングを棲み分けることもできます。

まとめ

以上の2種類の方法を使って是非ダブリングを体験してみてください。
きっと音圧が上がり、ステレオ感のある音作りの一助となると思います。

今回紹介した以外の方法としては、各社から発売されているダブリングができるプラグインを使用する方法もあります。
代表的なものとしてはWavesを始め各社がDoublerと名付けている商品や、Boz Digital LabsのL8Rなどがあります。
こういったものも気になる方は是非使ってみてください。

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